福島を医療大麻経済特区(国家戦略特区)に指定せよ!

 (福島県では昔から大麻が栽培されてきた)

 

  福島県南相馬地区は2016年7月、避難指示解除準備区域指定が解除され、立入りが可能になった。しかし農地は荒れ、耕作地は放棄され、復興にはとてつもない困難が予想されている。
  また放射能汚染の風評により、福島産農産物は国内流通ばかりか、海外への輸出も難しい状況である。
  この福島で、昔から大麻が栽培されてきたことを知るものは少ない。福島県昭和村の「からむし工芸博物館」が発行した「をのこと」という冊子のなかで、「からむしと共に昭和村を支えた大麻」として大麻栽培が紹介されている。(博物館シリーズ12 「を」は大麻のこと)
  昭和村の苧麻と大麻は上杉謙信を財政的に支えたというが、その苧麻を栽培するにあたり、大麻を栽培し、繊維製品をつくったり、朽ちた葉や茎を翌年の肥料などとしても利用してきた。福島には大麻栽培の歴史・伝統・技術があるのである。

 

 

 

(福島における医療大麻栽培の可能性)

 

  福島では農業復興のほか避難者支援の問題も深刻化するばかりである。そんな福島において、医療大麻栽培は復興に向けた2つの大きな可能性をもっている。
  ひとつは治療が困難な末期がんや難病患者のための薬草を栽培・供給することで多くの患者を支援できるという人道的側面で、もうひとつは医療大麻を生産することにより福島に大きな経済的利益がもたらされるという点である。
  これまで厚労省は、「大麻は有害なだけで医療効果はない」と言い続けてきた。それは1948年に施行された「大麻取締法」が医療利用を例外なしに禁止しているからだが、しかし、当時も現在も、そして国際条約の規約という点から言っても、大麻の医療利用を禁止する根拠はない。
  例えば、WHO(世界保健機関)は1997年の報告書で、がんの化学療法による悪心嘔吐制御、エイズ患者の食欲不振改善をあげ、喘息、緑内障、抗うつ薬、抗痙攣薬、さらに免疫学的研究を続けるべきであるとし、「カンナビノイドが他の治療にも使用されることから、その有効性についてさらなる基本的な薬理学的、及び、実験的な調査と臨床的な研究を行うべきことが推奨される。」と報告している。(厚労省翻訳
  また厚労省は「国際条約で禁止している」と国会で答弁したが、これも事実ではない。国際麻薬統制委員会(INCB)報告(2009年)は「大麻及び大麻抽出物の医療的な有効性に関する健全な科学的研究が実施されることを歓迎する」と述べているのである。(厚労省翻訳 62-64項
  欧米では医療大麻の合法化がすすみ、G8(主要首脳国8カ国)で、合法化されていないのは日本だけである。大麻を厳しく規制し、年間100万人を逮捕してきたアメリカですら、2018年現在、32州とワシントンD.C.で医療大麻を合法化している。
  厚労省はG8諸国が、危険なだけで効きもしない大麻を、国際条約に違反して合法化していると説明している。しかしこれら国際条約には「締約国の憲法を優先させる(subject to constitution of the country)」、つまりその国の憲法がほかに治療法がない患者の救済という人道的な立場から大麻の医療利用を認めても、国際条約には違反しないのである。

 

 

 

(日本における潜在的需要)

 

  日本で大麻をすぐにでも必要としている患者とその量を推定すると次のようになる。
  ◯ がん死年間35万人のうち、モルヒネなどの鎮痛薬の効果がない者、制吐剤の効果のない者 10万人
  ◯ 難病認定患者約100万人のうち効果の可能性のある患者、特に自己免疫疾患患者 30万人
  ◯ その他、慢性難治性疼痛 緩和医療・ホスピス 10万人
  合計50万人 
  この50万人が1日1グラムの医療大麻を消費すると、年間200トン近い大麻が必要となる。
  50万人という数字はかなり控えめで、日本の人口の0.4%にすぎない。疼痛の専門家によれば、何らかの痛みをもつ患者は全国で2000万人とも言われ、日本の最新医療技術でも最も治療が困難な分野のひとつであることを厚労省も認めている。潜在的需要ははるかに大きいのである。

 

 

 

(福島への経済的恩恵)

 

  それでは福島が経済特区、あるいは国家戦略特区の認定を受けた場合、どのような経済的メリットがもたらされるのか検討する。引用としてはあまり適切ではないかもしれないが、現実性があるので下記を例にあげる。
  「大麻草1万本超栽培で20億円…暴力団員ら4人に求刑」(サンスポ 2017年4月24日)。2017年4月、暴力団員ら4人が、和歌山県かつらぎ町の農業用倉庫で、大麻草1万本を栽培していたとして求刑された。警察発表によれば、すでに成長していた4,000本の末端価格は20億円で、一株あたり50万円の計算になる。こんな作物はほかには見当たらない。被告人の一人が昨年4月に倉庫を借りたが、栽培用の設備や資材には約4千万円が投資されたという。 岐阜県でも栽培に使われていた倉庫が摘発されたが(朝日新聞)、そこでも1万本が栽培されていたという。
  倉庫などで室内栽培した場合、階段状の栽培棚を作り、光と肥料を調整し、1年に3回収穫すれば、もっと効率のいい土地活用が可能になる。原発事故で廃校になってしまった学校の体育館や講堂を利用すれば、少ない投資額ですぐにでも始められる。
  屋外では1ヘクタール(100m×100m=10,000平方メートル)の土地に1万本栽培できる。津波で塩害被害を受け通常の野菜を作るのは困難になっている地域や、居住はできないが農作物の栽培はできるという地域ははるかに広い。
  福島だけで50万人分の大麻を供給した場合、市場価値は1兆円に近い。生産者価格にしても数千億円はくだらない。

 

 

 

(品質管理と臨床試験)

 

  大麻を医療用に利用するには、品質管理が欠かせない。特に放射能、残留農薬、重金属、生菌検査などは必須である。
  また医療効果は品種、成分構成などによって異なるので、詳細な分析が必要である。
  成分分析は島津製作所のアメリカの子会社が、世界に先駆けて精度の高い測定器を開発しており、THCやCBD以外に、テレピンなどについても調べることができる。これにより、より安全で効果の一定した大麻を確保できる。(SHIMADZU
  大麻の品質が一定しているということは、臨床試験がしやすいということでもある。日本では大麻取締法で臨床試験が禁止されているが、海外では多くの医学的論文が出されている。
  福島を医療大麻特区に指定し、専門病院を作り、多くの患者を対象に臨床試験を行う。将来的には臨床試験中核病院でも、医師の診断により、他の医薬品と同様に処方できるようにする。患者は臨床試験に参加するという形で、病院から大麻を支給される。
  それにより20年とも言われる日本のカンナビノイド研究の遅れを取り戻し、特に放射能とがんと大麻治療については、世界に先駆けた研究を発信することができる。

 

 

 

(崩れる厚労省の大麻有害論神話)

 

  大麻にどれだけ医療効果があっても、管理できないほどの強い有害性があるとしたら医薬品としての価値は小さい。
  大麻にはタバコ、アルコール以上の有害性(致死量、依存性、耐性上昇)がないというのは、すでに医学的常識ではある。しかし、医薬品である以上、まったく無害とは言えない。まったく無害な医薬品というのは存在しない。
  しかし厚労省が説明している大麻の有害性には、ほとんど科学的な根拠はない。厚労省は大麻は「大麻精神病になり、幻覚や幻視を見る」、「大麻から覚せい剤などのより強い薬物の入口になる(ステップストーン理論)」ことを大麻禁止の理由としてきた。しかし今やアメリカのDEA(日本の麻薬取締部)ですら、それらを根拠がないとしてサイトから削除してしまっているのである。(大麻乱用による心身への影響 厚労省

 

 

 

(栽培地域の警備)

 

  大麻栽培には知事による免許が必要だが、これまで厚労省はできるだけ免許を発行しないよう指導してきた。特に盗難には常識はずれともいえる厳重な対策が要求される。福島の場合、事故後の立入禁止地域に多くの警備員が配備されている。これをそのまま利用できる。また、地元民の雇用の増大も見込める。

 

 

 

(日本タバコ JTが投資し商品化すべき) 

 

  タバコからあがる税収は大きく、国の予算の大きな部分をしめている。しかし国際的な禁煙の流れにより、販売収益は落ちこむ一方である。日本タバコは医薬部門を設置し、新しい医薬品の開発に前向きに取り組んでいる。
  日本タバコの製造技術は高く、セブンスター系の銘柄だけでも数十種類はある。大麻の成分を分析し、特定の疾患に最も適切な銘柄をつくることも、今後の研究により技術的には可能である。実際の大量栽培の例をみても、投資額より収益のほうがはるかに多いことがわかる。
  タバコをもっと値上げし、それによる減収分は大麻製剤を全国の病院に配布することで補う。決して荒唐無稽な話ではないのである。

 

 

 

(国際社会に追いつけ追いこせ)

 

  今年、カナダ政府は嗜好を含めた大麻全面合法化を宣言し、数年以内には実現する見込みである。大幅な需要見込みを背景に、大規模な栽培を計画する会社もあらわれた。2013年、ロイターは「カナダの元チョコレート工場(ハーシーズ)、大麻栽培所として再生へ」と伝えている。アメリカでも大量生産のための設備投資が盛んである。
  今や原発事故で世界的に知られることになった福島が、大麻を栽培して病気の人達を救おうというキャンペーンを始めたとしたら、海外の先進国から優れた政策として評価されるであろう。

 

  医療大麻基本法(案)、4)「供給と管理体制」には次のように書かれている。
  「国は患者が安全かつ安定的に医療大麻を利用できるよう供給体制を確立する。海外からの輸入や国内栽培も含まれるものとする。管理については毒薬・劇薬・麻薬などの管理を参考に法制化する。
  厚労省、麻薬取締部、麻薬覚醒剤乱用防止センターなど規制当局は、一方的な「有害論」宣伝を中止し、大麻を求めることが反社会的・反道徳的であるかのような人権にかかわる誤解が生じないよう責任のある配慮をするものとする。」
  実現するかどうかは福島県の政治家や医師、住民次第である。確実なのは日本の多くの患者が、大麻を必要としており、それは増えることはあっても減ることはないということである。  (文責 インスタばえのしない前田)

 

 


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