医療大麻基本法(案)

  平成19年、がん対策基本法が施行され、研究と治療に多くの予算が割り当てられた。
 
 大麻についても、海外で医療効果が確認され、研究と実用化がすすめられており、我が国においても大麻取締法を見直すべき時期にきている。
 
 NPO法人「医療大麻を考える会」は、大麻取締法4条が大麻の医療利用を例外なしに禁止しているのは、憲法が保証する国民の基本的人権を侵害するものであるとの主張をしてきた。
 
 さらに私たちは、患者が安全に医療大麻にアクセスできるよう、国が特別措置を早急に講じるべきであると考え、「医療大麻基本法」を提案することにした。患者のほか、支援者や政治家や行政、医療関係者らが議論を深め、具体的な立法につなげていくことが期待される。
 
 海外メディアや山本裁判などを通して、多くの国民が「医療大麻」という言葉を耳にし、自分や家族が困難な病気に罹った時には使用したいという声が大きくなってきた我が国において、これまでのような当局への批判、非難だけではなく、政策提案的な発想が必要となってきている。
 
 疑問や不足している点などあれば、指摘していただきたい。

 

 

 

  1)大麻取締法4条の撤廃

 

  大麻取締法4条は、「何人も次に掲げる行為をしてはならない」として
二 大麻から製造された医薬品を施用し、または施用のために交付すること。
三 大麻から製造された医薬品の施用を受けること。
を禁止している。
  
そのため、医師や研究者であっても、人間を対象にした安全性・効果・副作用に関する医学的研究ができない。医薬品として製造したり、医師らが大麻を使った新しい治療法を開発することもできない。
 
 また海外で開発され、すでに各国で承認された大麻製剤を輸入することも違法とされる。
 
 国は第4条を撤廃し、臨床試験・治験を早急に行えるよう法的措置を講じる必要がある。

 

 

 

  2)独立した第三者機関の設置

 

  国は国会内に製薬会社、取締機関などの利害から独立した委員会を設置し、公正な調査と研究が継続的に行われるよう施策を講じる。
 
 大麻取締法4条は大麻の医療効果をまったく認めていないが、そのため、大麻の医療効果を研究する大学や研究機関に対する政府支給の研究予算が抑制され、自由な医学的研究に支障がでている。研究予算については、別途、財政的措置を講じ研究の独立性を確保する。

 

 

 

  3)専門医の育成

 

  がん治療、疼痛緩和など幅広い疾患に対する横断的な研究ができるよう、大麻の臨床専門医を育成する。
 
 大学・研究機関に医療大麻講座を開設し、専門的知識を研究し普及する。
 
 また、高齢社会化する我が国における緩和医療や終末期医療(ホスピス)、自宅療養、在宅介護などへの応用の可能性について、各分野の専門家らと調査研究を行う。

 

 

 

  4)供給と管理体制

 

  国は患者が安全かつ安定的に医療大麻を利用できるよう供給体制を確立する。海外からの輸入や国内栽培、患者の自家栽培も含まれるものとする。管理については毒薬・劇薬・麻薬などの管理を参考に法制化する。
 
 厚労省、麻薬取締部、麻薬覚醒剤乱用防止センターなど規制当局は、一方的な「有害論」宣伝を中止し、大麻を求めることが反社会的・反道徳的であるかのような人権にかかわる誤解が生じないよう責任のある配慮をするものとする。

 

 

 

  5)過渡期的措置 (人道的供給)

 

  末期がん、難病、難治性疼痛などの患者で、ほかに有効な治療法がないか、あっても患者が治療による苦痛を受け入れがたく大麻による治療を望む場合、これらの患者が我が国で未承認の大麻をすみやかに利用できるよう人道的使用(コンパッショネート使用)制度を制定し、これら患者の療養生活の質(QOL)の向上をはかる。
 
 患者が大麻製剤を選択した場合でも、医療関係者は法的責任を問われないものとする。
 
 また、これらの患者に対して医療大麻免許を発行し、患者本人およびその家族は必要に応じて一定の本数の大麻を自家栽培し、在宅療養などで使用できるものとする。
 
 栽培の技術指導と使用上の注意などについては、これまで逮捕と厳罰主義をとってきた厚労省麻薬取締部と「ダメゼッタイ」の麻薬覚醒剤乱用防止センターが担当し、必要な場合は担当官を増員する。

 
 
 

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