週刊金曜日(2017年8月18日号)に会の主張が掲載されました。

 

 

  週刊金曜日(2017年8月18日号)に会の主張が掲載されました。

 

 

 

  大麻取締法に共謀罪が加わったことの危険性
  ― 医療利用の合法化求める声はかき消されて

 

  「NPO法人 医療大麻を考える会」 代表 前田耕一

 

 

 

  戦時中の治安維持法とも言われる共謀罪が成立した。
  「共謀罪」は「未遂罪」や「予備罪」とは、まるで異なる。「未遂」以前の、そのまた「予備」以前の、「話し合って合意したとみなされる段階」で罪となるのが「共謀罪」である。
  大麻についても、大麻の栽培等、大麻の所持等、大麻の使用等が共謀罪の対象になるとされている。
  日本では医療利用の例外なしの禁止を含めて、栽培、所持等が厳しく規制されており、5年以上の懲役刑もあることから、共謀罪の対象にされたものである。
  「大麻の栽培」については、末期がんの患者が、疼痛緩和のため緊急避難的に栽培しようとして誰かに相談するだけで共謀罪が成立する。
  また患者が栽培しているのを知り、それを通報しないと共謀罪に問われる恐れがあるため、当局への密告が増える。共謀罪により日本は戦時中や独裁国家のような密告社会になる恐れが強い。
  「大麻の所持」については、ここ数年の裁判で「共同所持」が適用されるケースが増えている。「共同所持」では、本人以外の者がどれだけ関与していたかの特定が容易ではないが、共謀罪により、時代錯誤的ないわゆる「連帯責任」を問われることにもなりかねない。
  大麻取締法には「使用」罪がなく、尿中に痕跡があっても有罪の根拠とはされてこなかった。しかし共謀罪のどさくさに紛れて、拡大解釈される恐れがないとは言えない。
  これまでも大麻取締法違反には刑法の教唆や幇助罪も適用され、さらに栽培・所持・使用には、それぞれ未遂罪もある。また、麻薬特例法もあり、このうえさらに共謀罪を適用する合理性はまったくない。
  一方、日本を除くG8(主要国首脳会議)では、大麻の医療使用が合法化されている。米国では29州で合法化されており、患者本人、家族や介護人らが、数本から6本(州により異なる)の大麻の栽培、所持、使用が許されている。
  このような世界的な潮流にあっても、厚労省による医学的根拠のない印象操作により、日本社会ではいまだに大麻に関する偏見と誤解が渦巻いており、患者であっても犯罪予備軍としか見なされない。

 

 

 

「患者を犯罪予備軍視」

 

  私達は大麻の医療使用を合法化するために運動をしているものであり、米国におけるコンパッショネート・ユース(人道的配慮にもとづく未承認薬の使用:大麻を含む)制度に匹敵する制度のなかで、大麻の医療使用を可能にすることを求めている。
  私達は合法的手段による大麻取締法の改正を求めるものではあるが、末期や難病、難治性疼痛患者のなかには「生きるために」大麻を求めることがどうして罪になるのか納得できない人たちがいるのも事実である(写真の山本正光さん参照)。そのため当局が私達を「薬物」にかかわる「組織」性のある団体と捉え、監視を強化する恐れが非常に強い。
  私達は人道的な観点から医療大麻合法化を訴えているが、金田勝年法相(当時)は「人権や環境保護を隠れ蓑にする恐れがある」「団体の当初の目的が変貌する可能性もある」と発言し、共謀罪の厳格な適用をほのめかしていた。 
  大麻がテロや暴力事件につながった例はなく、あらたに共謀罪を適用する意味はまったくない。大麻取締法は患者の人権を侵害する憲法違反の法律であり、共謀罪とともに廃案にしなければならない。

 

 

 

 

 

 

  注:週刊金曜日は3万部発行で、うち2万部は定期購読者。左ページには都知事選に立候補した元日弁連会長が原稿を書いている。

 

 

 

 週刊金曜日 公式サイト : http://www.kinyobi.co.jp/

 

 


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