朝日新聞 医療大麻問題が記事に

  アメリカで大統領選が行われる今日11月8日、朝日新聞が医療大麻問題についてとりあげている。(朝日新聞デジタル版
  「THCに強い幻覚作用がある」(正しくは精神活性作用あるいは精神薬理作用)や「WHO(世界保健機関)も医療用としての有効性に科学的根拠を認めていない」(正しくは、「WHOも人体の多くの部分に大麻の受容体があり、薬理効果は科学的根拠があり、さらなる研究を推奨している」)など、明らかな誤りがあることはあるが、賛否両論併記を義務付けられている大手新聞としてはこれが限界か。
  ただ、海外、特にアメリカや、ドイツ、オランダ、カナダでの合法化、さらに山本医療大麻裁判も取り上げている。
  創薬研究の必要性を訴える新党改革や、今すぐにでも合法化して使えるようにしてほしいと切望する患者の目線に立ったNPO法人「医療大麻を考える会」の立場も簡単だが紹介されている。
  アメリカでは大統領選と同時に、いくつかの州では医療・嗜好大麻の合法化が問われる。今日中には新大統領が誕生するが、どちらがなっても連邦レベルでの医療大麻が合法化されるまで、そう時間はかからないだろう。
  記事によれば、「厚労省は日本国内では医療用大麻という定義は存在しないという立場」で「臨床研究を含め、大麻の医療利用を認める考えはない」ということだ。しかし、先進諸国G8のなかで、医療利用をまったく認めていないのは日本だけとなった現在、その立場に固執するのは意味がないのではないか。
  記事によれば、星薬科大学特任教授(精神薬理学)の鈴木勉教授は、「がんなどの痛みの緩和には、すでにモルヒネなどの医療用麻薬があり、有効性と安全性が認められている」「日本は海外と比べて使用量が大幅に少ない。まず、医療用麻薬の普及のほうが先決だ」と訴える。
  しかし末期がん(悪液質)や神経性難病にともなう難治性疼痛には効果的な医薬品や治療法が限られており、モルヒネが効かない患者の苦しみは想像を絶する(医療現場ではモルヒネの大量投与による最終的セデーションと呼ばれる実質上の安楽死が選択されること多い)。アメリカではモルヒネなどの過剰摂取による死亡事故が、年間、1万件を超えている。
  しかしモルヒネと大麻(カンナビノイド)を併用すれば、鎮痛効果が相加相乗的に強化され、モルヒネの副作用も軽減されることが、国立がんセンターなどの研究で明らかになっている。医療用麻薬の普及も大切だが、日本が疼痛緩和などを目的とした研究をなぜ認めようとしないのか、鈴木教授の言葉からはわからない。
  鈴木特任教授の勤務先である星薬科大学は、1911年に星一氏により創立されたが、日本で初めてモルヒネ製剤を製造、販売(星製薬株式会社)したことでも有名。鈴木教授の発言がけちくさい利害関係からでたものであるとは思わないが、それなら創設者の意志に基き、「患者さんに役立つモルヒネなどの鎮痛薬の研究」に、なぜ世界でも認められれているカンナビノイドを加えようとしないで、モルヒネの普及にのみ尽力しようとしているのか、まったく理解できない。鈴木教授の反論を待つ。  (文責 前田)

 

 


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