フィリピン ドゥテルテ大統領 「麻薬中毒者は社会の害、300万人殺してもかまわない。しかし、医療大麻だけは認める」

  「麻薬中毒者は社会の害、社会を守るためなら300万人でも殺す」と公言し、みずからも50人は殺したというフィリピンのドゥテルテ(Duterte)大統領。アメリカの大統領候補トランプ氏を彷彿とさせるが、大麻の医療使用には理解を示している

 

 

 

  フィリピンにはマニラ市トンド地区のスモーキーマウンテンのような貧民街が多い。ゴミの山のなかから、金属やプラスチックを拾い集める裸足の子供の映像が、日本でもたまに報道される。そのような地域では失業率も高く、暴力や売春や薬物がらみの犯罪が多いのも、ある意味、必然である。
  フィリピンは多数の島で成り立っていて、海外に出稼ぎに出るフィリピン人労働者の送金が、国の財政に大きく貢献しているのが現状である。そのような経済的状況を放置したまま、貧しい者が薬物売買や使用に走ったからといって、「社会の害」として殺していいはずがない。ドゥテルテ大統領は自分をユダヤ人を虐殺したヒットラーに喩えているが、大変な人物が大統領になったものだ。相模原事件の植松容疑者の論理と変わらない。ドゥテルテ大統領の場合、法律に守られている点が違うだけで、やってることは同じだ。

 

 

 

  しかし、2016年5月25日のインタビューによれば、大統領は「大麻は医薬的な成分が含まれていることは証明されており、ほかに治療法のない末期がんや難病の患者が治療に使用することに私は反対しない。しかし嗜好目的は禁止で、逆らう者は死ぬ」と述べた。

 

 

 

  フィリピン大統領が大麻の医療使用に理解を示しているのはいいとして、しかし、大麻を使用していた病人が、何かの間違いで医療目的ではないと判断されたら(例:すでに症状が軽快している、ほかに治療薬がある、不正に入手した)、殺されてもしかたがないという状況はどうか。患者は怖くて使えないだろう。
  患者が大麻を安心して使えるには、いかなる場合でも大麻で殺されたり厳罰に処せられるような状況であってはならない。

 

 

 

  「大麻を嗜好目的で使用する者がいるから、日本ではいつまでたっても医療使用が許されないのだ」という声を聞くことがある。しかしそれはまったく違う。タバコやアルコールより有害性がなく、幅広い効果に比較して、依存性も耐性上昇も致死量もないのが大麻を医療的に使用する場合の大きなメリットだとすれば、そのような大麻をリラックスや楽しみのひとつとして使用することにも社会は寛容でなければならない。
  合法化されて小学生が吸うようになってもいいのかという声もあるが、アルコールが合法の日本で、酒で酔っ払って道で寝ている小学生なんて見たことがない。極端で常識はずれな言いがかりである。
  「薬物犯罪者は300万人でも殺す」と公言するフィリピン大統領ですら、病気に苦しむ国民のためには大麻の医療使用を合法化しようとしている。
  我が国の厚労省は「世界保健機関(WHO)は大麻に医療効果があるとは認めていない」「国際条約が禁止している」「もし大麻に依存性があったら大変なので臨床試験を禁止してます」などと言って禁止政策を継続しようとするが、「患者のためには医療利用を認める」というフィリピン大統領のほうがよほどマシということになる。

 

 

 

  いずれにしても、欧米だけではなく、亜細亜太平洋地域(タイ、フィリピン、グアム)でも医療大麻は議論されており、合法化への途を歩んでいる。
  厚労省のお役人さん、政治家の皆さん、どうするつもり?
  日本って苦しむ者、貧しい者、恵まれない者に思いやりのある素晴らしい国のはずですよね?そんな日本なら命を賭けて守りたいです。

 

 


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