どこまで本気? 新党改革の医療大麻改革

  新党改革が参議院選で、医療大麻改革を訴えている。
  いったいどこまで本気なのか、これまでの経緯を振り返ってみた。

 

 

  [画像:左から右] 参議院 会議録 平成27(2015)年6月30日 2枚、同年8月6日 2枚

 

  2015年6月、新党改革の荒井議員が、国会で初めて医療大麻という言葉を使い、厚労省に質問をした。厚労省の回答は、ほとんど「ウソ」というような内容だった。しかし荒井議員の突っ込みは緩く、見ていてイライラさせられるものだった。

 

 

  [画像:左から右] 参議院 会議録 平成28(2016)年3月7日、参議院 会議録 平成28(2016)年3月28日

 

  2016年3月の質問も、それほど的を得たものではなかった。
  そこで、厚労省のどこがウソなのか、また、議員として緊急にできること、さらに進行中の山本裁判について、A4で7枚の原稿を書き、荒井議員の事務所や連絡先4箇所に、FAXとメールで送った。
  しかし、荒井議員からの返信はまったくなかった。単なる批判ではなく、政策立案にかかわる建設的な内容だったにもかかわらず、受け取ったとのメールひとつなかったのである。

 

 

 

以下は送付した文書のカバーページです。

 

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新党改革  荒井先生  2016年3月4日

 

先生のご活躍、本物の政治家として、尊敬の念を禁じえません。

 

私たちはNPO法人 医療大麻を考える会の会員で、患者さんが医療大麻を合法的に使用できる環境を作ることを目的としています。

 

さて、さっそくですが、昨年8月の先生の医療大麻に関する質疑を拝見して、
僭越ながらいくつか感じたところをお伝えしたいと思います。

 

1) 厚労省官僚答弁の疑問2点

 

2) 日本版コンパッショネートユース制度と大麻取締法

 

3) ある末期肝臓がん(ステージ4b)患者の大麻所持に関する裁判書類
    3月10日公判のための被告人と弁護士の意見

 

NPO法人 医療大麻を考える会は現在会員は300名程度ですが、先生のご活躍に大きな期待をもっている患者がたくさんいます。
ご協力いただければ幸いです。

 

NPO法人 医療大麻を考える会 www.iryotaima.net
    〒155-0031
    東京都世田谷区代田5-19-10 ドミひのき3
    代表理事 前田 耕一 officemaeda@iryotaima.net

 

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  しかし、荒井議員からの返信はなかった。

 

  国会での3度にわたる荒井議員の質問は一貫性を欠き、本当に患者のために改革を行おうとしているか、私にはわからなくなった。

 

 

 

1)
  当初、「欧米では難病患者などが医療大麻の恩恵を受けている。我が国でも患者のために検討が必要」と、患者が使用できるように法改正をすすめるかのような質問主旨だった。
  しかしその後、「せめて臨床研究ができるように法改正が必要」と主張が後退した印象を受けた。
  しかし欧米で医療大麻が合法化されているすべての国と州において、臨床試験の結果として、医療大麻が合法化されたところは一つとしてない。
  臨床試験の結果がでる前でも、大麻が効果がある患者には特別な制度を作り、合法的に使用できるようにしたのが、1990年代のカリフォルニア州のコンパッショネートユース制度である。アメリカの多くの州はこの制度に基づいて合法化してきた。
  日本でも2016年、難病患者などへの人道的配慮から、同様の制度ができた。しかし問題は、大麻が大麻取締法によりこの制度から除外されていることだ。国会議員としては、この制度の恩恵を受けられない患者がいること、国民のなかに差別的扱いを受ける者がいるという点を、大きな問題としてとりあげるべきである。
  患者はできるだけはやく、自己責任ででもいいので試したいというのが本音なのである。
  「せめて臨床試験と研究を」という主張は、製薬会社と厚労省官僚にとっては医療大麻合法化までの時間稼ぎとなり、悪くすれば合法化を妨害するための理屈になりかねない。

 

 

 

2)
  2016年3月28日の質問もよく理解できない。

 

荒井:
  THC、テトラヒドロカンナビノールというのが精神作用があるんです。しかし、CBD、カンナビジオールというのはそれがないんですね。ですから、限定的に研究開発をするべきだと、」

 

疑問:
  THCには精神作用があるから、CBDを限定的に研究開発するべきというが、当初は医療大麻の合法化を主張していたのに、ここではCBDでいいんじゃないかとなってしまったように聞こえる。とすればCBDは合法なので、大麻取締法を修正する必要はなくなる。

  しかし、THCの精神作用は多幸感のほか、抗不安作用や抗うつ作用など治療に役立つ効果があり、またCBDなどと相互作用をして、より効果を高めるというのは合法国では医学的常識になっている。幻覚をみたり凶暴になることもない。それをどうしてCBDだけに限定したがるのだろう。理解ができない)

 

荒井:
  そこでこのCBDオイル、ヘンプオイルとも申しますが、それは個人輸入できるんです。これは規制されていません。ところがこの輸入されたもので粗悪品が入っているということで、アメリカは非常に問題になったんです。検査機関が私は必要かと思うんですが、厚労大臣、どうでしょうか」「どうぞ、これは規制されていませんが、これを成分をきちんと見ていく、こういった機構の必要性を申し上げたいと思います」

 

疑問:
  どれだけの量が輸入され、日本で被害が発生しているかどうかもわからない製品に「品質評価のための検査機構が必要」、つまり規制が必要だと述べているのである。(しかし、アメリカで問題になったのは粗悪品というより、CBD成分がほとんど含有されていない製品をFDAが公表しただけで、大きな健康被害には至っていない)。

  そもそもこんなことは国会で質問するようなことなのか?

 

 

 

  ただ荒井議員は国会で初めて「医療大麻」という言葉を使い、多くの人びとの耳に届いた。その功績は大きい。
  また選挙前の街頭演説では、「医療大麻合法化を妨害しているのは製薬会社と厚労省だ」と喝破していた。発言の根拠は不明だが、当選したら、国民と患者の側に立って、ぜひ厚労省と製薬会社を相手に戦っていただきたいものだ。
  医療大麻に関する知識の欠如が、政策の誤りにつながるようなことがあっては絶対にいけない。  (文責:前田)

 

 


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