逃げるな検察!
国民の目の前で、証拠調べをせよ!
(以下は、6月27日、弁護団が提出予定の原稿)
検察官は、ほとんどすべての証拠について、関連性がないとの意見を述べるので、以下のとおり反論する。
弁護人は、医療目的で大麻を使用・所持することを禁止する大麻取締法の規定が憲法に違反して無効であると主張している。
これは、現代医療では末期がんの改善・疼痛の軽減が期待できない被告人が自らの生命と健康を維持するためには大麻を使用することが絶対に必要であり、そのためには本裁判において、裁判所から大麻取締法の規定が憲法に反することを判決で宣言してもらう他ないのである。
冒頭陳述で述べたとおり、医療大麻を禁止する大麻取締法の規定が違憲か合憲かは、その立法事実が明らかにされなければならない。
すなわち、(1)大麻取締法がいかなる経緯と理由に基づいて制定されたのか、(2)大麻の有害性の内容と程度はどのようなものであるのか、(3)大麻を医療に用いた場合の有益性はどのようなものであるのか、といった事実が正しく法廷に提出され、それに基づいて判断がされなければならない。
特に大麻に関する研究が著しく進んでいる最近の研究成果を正しく理解しなければ、いつまでも過去の誤りに引きずられたままで何度も過ちを繰り返すことになる。この過ちの被害者は被告人であり、被告人と同じ境遇にある国民である。
司法がその目と耳によって正しい事実を見て、聞こうとしないことは司法の自殺行為である。
二度とハンセン病に対する過ちを繰り返してはならないのである。
弁護団としては公益の代表者たる検察官がいたずらに証拠を不同意とすることに憤りを抑えることができない。
第1回の公判期日において弁護側が要望したとおり、大麻取締法が憲法に適合するか否かについて、検察側も弁護側もそれぞれ正しいと考える証拠を法廷に出し、正々堂々と議論し、その当否を裁判所に判断してもらうのが正しい司法の在り方であり、それに仕えることが法曹の使命であると確信する。
弁第8号証以下の各証拠は、立証趣旨から明らかなように、上記立法事実に関する証拠であり、憲法判断をするためには必要な証拠である。
裁判所におかれては、いずれの証拠も採用して取り調べされたい。