小児がんと医療大麻 アメリカでは90%近い医者が子供のがんに大麻を使うことに賛成

  小児がん医療提供者の10人中9人以上が、医療大麻治療を患者に施行することに賛成している。
  これは、6月8日に行われた米国臨床腫瘍学会学術集会2016で発表された調査報告である。

 


 

 

  Survey: Pediatric Oncology Providers Favor Cannabis For Pediatric Treatment
  調査報告: 小児がん医療提供者は、小児治療に対するカンナビス(医療大麻)の使用に賛成している

 

  筆者: Paul Amentano NORML(※1) Deputy Director

 

 

 

  ◎ 2016年6月8日(水曜日)

 

  シカゴ イリノイ発 今週開催された米国臨床腫瘍学会学術集会2016で発表された調査報告によると、小児がん医療提供者の10人中9人以上が、医療大麻治療を患者に施行することに賛成している。
  種々の米国がん治療施設から集まった研究者が、654人の小児がん医療提供者を調査した。
  654人の内訳は、イリノイ州、マサチューセッツ州、ワシントン州にある3つの国立がん治療センターの臨床医および看護師らである。300人以上(46%)が回答した。
  回答者の92%が、「小児がん患者が医療大麻を使用することを支援したい」と述べた。そして、3分の1以上(34%)が、がん治療の早期段階での医療大麻の使用は適切であると認識していた。
  回答者の30%は、少なくとも1か月1回、医療大麻治療を受けたいとの要望を患者あるいはその家族から受けていると報告した。
  以上のことから、小児がん医療提供者は、「小児がん患者への医療大麻使用に圧倒的に賛成する態度を示している」と著者らは結論づけた。
  臨床医およびヘルスケア提供者に対する以前の調査も同様の傾向を示した。2013年にNew England Journal of Medicineに報告された調査結果では、回答者の76%が転移性乳がん治療に医療大麻治療を用いることを支持しているとされた(Clinical Decisions:Medicinal Use of Marijuana.N Engl J Med 2013; 368:866-8.)。
  Web MDが1,500人以上の臨床医に行った2014年の調査では、がん専門医の82%が、医療大麻治療が適正な治療成果をもたらすと確信していたと、同様に報告された。

 

  (※1) NORMLとは(The National Organization for the Reform of Marijuana Laws)成人らによる責任のあるマリファナ使用を法制化するために世論を十分に動かし、そして、消費者が安全で有用で手頃な高品質のマリファナを確実に手に入れられるように代弁者として奉仕する団体。1970年代から戦っている。

 

 

 

  ◎ 同様の内容が2016年米国臨床腫瘍学会からも出されている。

 

  2016 ASCO Annual Meeting
  2016年 米国臨床腫瘍学会学術集会

 

  Pediatric oncology providers and use of medical marijuana in children with cancer.
  小児がん医療提供者と、がんの子どもたちへの医療大麻の使用

 

  Poster Session, Pediatric Oncology
  ポスターセッション・小児がん

 

 

 

  抄録

 

  背景:
  医療大麻を合法化する州が増えることによって、重篤な疾患をもつ子どもたちへの使用が増加している。しかしながら、小児に対する医療大麻の使用はいまだに議論がある。がんの子どもたちには、医療大麻は支持療法として有用である可能性がある。私たちは、小児がん患者における医療大麻使用について、医療提供者がどのように考えているかを調査した。

 

  方法:
  医療大麻が合法化されているイリノイ州、マサチューセッツ州、ワシントン州にある国立がん研究所指定の3つのがんセンターに従事する小児がん医療提供者654人に電子的に横断調査が行われた。313人(48%)から回答が得られ、301人(46%)が解析の対象になった。32項目からなる調査は、態度、実践、障害、意識を明らかにした。回答は、記述的に解析された。

 

  結果:
  医療提供者(看護師59%、臨床医29%、医師補:特定看護師など医師の指示を受けて医療行為を行う者10%)の平均年齢は35歳(範囲は22~70歳)。85%が女性で、88%が白人であった。ほとんどすべて(92%)の医療提供者が小児がん患者の医療大麻使用を支援したいと考えていた。多くの医療提供者が、医療大麻の経口用製剤の使用と(90%)、小児がん患者の症状を管理するための医療大麻の使用に(92%)賛同した。88%の医療提供者が終末期での医療大麻の使用は適切であると考えていたが、がん治療の初期の段階での医療大麻の使用が適切と考えている医療提供者はかなり少数(34%)であった。医療大麻を使用している患者の薬物乱用については多く(62%)が無関心であった。3分の1近く(30%)の医療提供者が、過去に1か月に1回以上、患者やその家族から医療大麻の要望を受けた。医療大麻を要望された医療提供者のうち14%が医療大麻を使用した。悪心(吐き気)、食欲不振および痛みが医療大麻を要望した人に最もよくみられる症状であった。46%が、医療大麻を推奨する際の最大の障害として、製剤や効力や用量などに関して基準がないことをあげた。認識に関しては、医療提供者の大多数(86%)が自分たちの州は医療大麻を合法化していることを理解していた。より少数(58%)の人が医療大麻は連邦法に反していることを知っており、そして5%だけが、使用、所持、栽培についての州の特別規制を認識していた。

 

  結論:
  小児がん医療提供者は、小児がん患者への医療大麻使用に圧倒的に賛成する態度を示している。合法化された州では、医療大麻に関して小児がん患者やその家族から質問される機会が多いので、州政府や連邦政府の規制に関する医療提供者の認識を高めるための教育がさらに必要である。

 

  (訳:医療大麻を考える会事務局)

 

 


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