医療大麻、非犯罪化か合法化か?

  非犯罪化というのは違反しても交通違反で切符を切られて罰金を払うのと同じで行政罰で、前科にはならない。合法化は行政罰はもちろん、刑事罰(懲役)の対象にならない。
  医療大麻についてはどうか?一気に合法化は難しそうだから、まず非犯罪化してから、合法化すればいいと考える人もいるかもしれない。患者が逮捕されても、罰金だけなら何とかなるかもしれない。
  実際、ヨーロッパのほとんどの国では、大麻の嗜好目的での非犯罪化がすすんでいて、患者はそれを医療目的に使用することができる。ヨーロッパはシェンゲン条約で国境での検査が廃止されているので、フランスの患者はオランダに行けば入手できる。特に不都合はないように見える。
  しかし、非犯罪化はあくまで非犯罪化にすぎず、医師が病院で患者に投与することはできない。患者に処方して、臨床試験をすることもできない。つまり医療研究としては限界があるということだ。
  ここ数年の研究の進歩をみると、患者は自然のハーブ大麻を吸えればいいというものではないことが明らかになってきた。例えばCBDオイル(花穂からとったカンナビスオイル、リックシンプソン・オイル)の効果、THCやほかの成分との相互作用、アロマ成分テレピンなどの重要性、大麻の生ジュースとTHCA、ワックスや、より医療的に効果のある栽培方法や摂取方法など、これまで想像もできなかった発見が続いている。
  この傾向は今後さらに加速されるだろう。なぜなら、大麻には様々な効果と可能性があり、それぞれの患者に最も効果的な成分配合と摂取方法が必要となってくるからだ。しかし非犯罪化では、研究ができない。
  山本医療大麻裁判では罪を罪として残す非犯罪化ではなく、すべての患者が堂々と利用できるよう合法化を目指している。
  そうすれば日本でも患者を対象にした臨床研究や、それに基づくより高度の利用が可能になる。
  世界の研究は急速に進んでいる。遅れを取り戻すためにも、日本では非犯罪化ではなく、合法化でなければならないのだ。

 

 


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