映画監督 井筒和幸「日本は声も出せない社会になった」

  〔画像〕 日刊ゲンダイ 2015年11月27日 連載怒怒哀楽 より

 

(以下、井筒監督)

 

  先日、新聞記事で「ジャズ流れる販売所、苗やお菓子もずらり」という見出しにびっくりした。「医療や娯楽用」「膨らむ市場、安全性で論争」と。大麻を認 める動きが進んでいる?日本でそんなことが!?一瞬目を疑ったがアメリカのことだった。カリフォルニア州のオークランドにある全米最大規模の医療大麻の店 先には、朝10時から利用客が行列をつくるとか。同州は96年から全米で初めて使用を認めている。
  元ジャーナリストで不眠症の客は、苗から買って自宅で栽培しているとか。身分証と医師の処方箋を見せ、軽快なジャズが流れる店に入ると、たばこのような 乾燥大麻やパイプで吸う抽出液、大麻入りチョコやクッキーまでショーケースに並んでいるらしい。「睡眠薬より副作用もなく寝起きもいい」と利用客が重宝し ていると。実は、僕も万年の不眠症なので、ちょっと羨ましく思った。日本じゃ医療用の店さえないし、アラスカ、コロラド、オレゴン州での娯楽用販売などお とぎ話だ。
  でも、アメリカのすべての州が合法化したら、何でも真似してきた日本も倣うかもしれない。
  「やっぱり、アメリカは理念の国だわ。江戸時代から大してかわらず、チョンマゲ切っただけで西洋の真似ばっかりしてきた幼児国家とは元から違うぞ。安全 性の研究じゃ酒やたばこより中毒性も低い。アメリカじゃ栽培農家に投資する企業もあって1兆円台の市場になるらしいで。研究してみっか」と映画仲間らと飲 み屋で「マリファナ脱亜論」をぶっていたら、「監督、盛り上がってますね。でもそんなこと言ったら、社会転覆を企む共謀罪で捕まりますよ」と横の客にから かわれた。「SF映画の企画のどこが悪いんや」と言い返したが、声も出せない社会になった。飲み屋の世界もネットの世界のようで、本当に疎ましい。

 

(以下、前田コメント)

 

  私はコンビニで日刊ゲンダイと東京新聞はときどき買う。日刊ゲンダイは週刊現代とは何の関係もない。週刊現代は大麻に対して非常に攻撃的で、「角界 大麻汚染」「有名大学 大麻事件」など、当局の垂れ流し記事を何度も掲載してきた。しかし有害性の根拠について調査すべきだなどというまっとうな記事は一度も掲載したことがない。厚労省麻薬課、警察、裁判所、マスコミこそ共謀罪で裁かれるべきである。

 


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