7月に数回開催されたグアム医療大麻合法化に関する公聴会での「DRAFT(素案)」が公開された。
DRAFTによれば、私たちが要望した通りに、ほぼ決定しそうである。
p.19 (fff) に次のように定義されている。
「資格のある患者」とは
(fff) Qualified patient means a resident of Guam who has been diagonsed by a practitioner as having debilitating medical condition and has recieved written certification and a Registry identification Card pursuant to the Act and these rules and regulations.
(ここでいう)「資格のある患者とはグアムの住民で、開業医から衰弱性疾患患者との診断を受け、グアム医療大麻法に適格との書面による証明と登録証を受けた者」となっている。グアム住民でなければならないのである。
しかし、同じページに
「グアムの住民とは」として、次のように定義されている。
(iii) Resident of Guam means a person who resides on Guam for a period of time sufficient to be thoroughly examined by a physician in Guam in determining a person’s eligibility as a qualified patient subject to the Act and these rules and regulations
「グアムの住民とはグアムの医師が医療大麻法に適格であると診断するのに十分な期間、グアムに在住する者をいう。」
つまり、グアムの医師が診断するのに必要な期間、グアムにいれればいいということになる。国籍は関係なく、住民票が必要とも書かれていない。
この条文はグアム島民だけを想定しているなら必要ない。しかし、日本人にも適用できるように、あえて追加したように読める。
(fff)には a practicioner という言葉があるが、これは「開業医」という意味で、実際に患者の診断にあたる医師という意味である。しかしこの practitioner には制限がついていない。つまり、日本の医者でもいいということになる。
p.10に
適応疾患が書かれている。
「がん、緑内障、多発性硬化症、痙縮をともなう脊髄損傷、てんかん、HIV、ホスピス対象患者、PTSD、関節リューマチ及び類似の慢性炎症性自己免疫疾患、その他当局が認める疾患」
「その他当局が認める疾患」というのは、1990年代にカリフォルニア州で医療大麻が合法化されたとき、トッドミクリヤ医師が反対を押し切って条文に入れさせた文言で、その後研究が進むにつれ、多くの疾患が加えられることになった。
グアムでの大麻治療の流れは、次のようになる見込みである。
(1) グアムの(作成中の)法律に記載される疾患、特にがんなど治る見込みのない消耗性疾患、神経因性疼痛など治療法が限られる疾患、その他グアム政府が認める疾患の患者であることを、病状経過などをカルテで確認し、日本の医師が英文の診断書を発行。
(2) その診断書をもとに、グアムの医師が大麻治療が効果があると認定。ID(処方箋)を発行する。グアムには日本語ができる医師が複数いるので、英文診断書は場合によっては不要。
(3) 患者はディスペンサリー(大麻販売薬局。現在3箇所を予定)に医師の処方箋を提示し、処方箋に書かれている量を購入する。
(注意)
ただ、以上は素案で、11月の最終決定まで、まだ修正の可能性がある。グアム政府にとっては初めてのことが多く、特に、大麻の栽培や供給方法が整うまでさらに時間がかかるかもしれない。
NPO医療大麻を考える会としては、日本人を後回しにしないで欲しいと要望したが、グアム島民が優先されてもしかたがない。少なくとも数十人の日本人枠は、当初から確保したい。
それと対象疾患であってもグアムの医師が認めるかどうかはわからないし、対象疾患でない場合は、認められるまで、特に最初のうちは、時間がかかるかもしれない。
自分は癌だから必ず認められると思って行っても、認められなければそのまま帰ってこなくてはならない。
またグアム島民優先だから、現地に行っても日本人向けの医療大麻が十分あるとは限らない。
NPO医療大麻を考える会としては、日本での事前診断、説明会、対象疾患の拡大などグアム政府との連絡を行う必要性があると考える。
グアムは日本から近く、気候も温暖で、島民も温かい。グアムは観光立国で、政府をあげて日本人患者の受入れ態勢を整えているといってもいい。最初の日本人患者がグアムに行くのは、それほど遠いことではないだろう。
なお、「グアムから帰国後、逮捕されないか?」もあわせてお読みください。
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○ TINA上院議員と。