日本人医師による「医療大麻解説本」 9月24日発売

  私たち日本の医療大麻合法化をめざす者にとって最も大きな弱点は、日本人医師による「大麻には医療効果がある」という証言がないということだ。
  裁判では「大麻が有害なのは公知の事実(水が高いところから低いところに流れるように誰でも知っている事実)で、証明する必要すらない」と裁判官は決め付ける。しかし大麻の有害性についての医学的認識は、世界的に変わってきている。
  大麻はほかの医薬品に比べて、有害副作用が少なく、安全で、しかも依存性や、使い続けると効かなくなってくるということもほとんどない。大麻に医療効果があることは、今や、世界では公知の事実となっている。
  しかし裁判で海外の医学情報を提出しても、「それは外国の情報にすぎない」と判断され、証拠として取り上げてもらえない。今、日本人医師が本を書き、医療効果を世の中に訴えることの意義は非常に大きい。
  著者はがん専門医で、東洋医学の権威でもある。大学や国立がんセンターで、長い間研究に関わってきて、現在は開業医をしている。
  「私は大麻の医療効果を知って、驚愕した。大麻の医療利用禁止を続けることは憲法が保障する基本的人権に違反することであり、犯罪だ」と、大麻を必要としている患者が思っていることをズバリと言う。
  すでに原稿は完成し、9月24日に出版される。(定価2,300円)
  この一冊は確実に日本の医療の歴史を変える。

 

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医療大麻の真実

 

はじめに:

 

  大麻取締法が1948年に制定されて以降、日本では大麻草の栽培や利用は禁止されています。
大麻取締法では大麻の医療目的での使用も禁じていますが、その前提は、「大麻の使用は危険である」ことと「大麻に医療用途がない」ということを根拠にしています。
もし、「大麻は安全で、病気の治療に効果がある」ことが証明されれば、医療目的での使用を禁じている大麻取締法は間違った法律と言えます。
  「大麻に医療用途がある」ということは医学の領域ではすでに常識になっています。しかも、多くの難病を含め様々な病気の治療に役立つことが明らかになっています。
大麻に含まれるカンナビノイドという成分が結合する受容体が神経系や免疫系など体内に広く分布し、様々な生理機能の制御に重要な役割を果たしているからです。これを内因性カンナビノイド・システムといい、体の治癒力の根幹にもなっているのです。
  日本において大麻の栽培は、第2次世界大戦以前は全国各地で行われており、国は大麻栽培を推奨していました。大麻草は縄文時代から縄や衣服や建材や紙などの生活必需品を作るための重要な素材であり、麻の実は栄養価の高い食品として、またその油は燃料になり、花穂や葉や実は医薬品としてその薬効が利用され、神道の儀式にも大麻草は欠かせないものでした。
  このように大麻草は日本人の生活に密接に関連してきましたが、1948年に連合軍総司令部(GHQ)の命令で大麻取締法が制定され、大麻草の栽培や利用は禁止されるようになりました。日本では医療目的であっても大麻および大麻由来の製品を使用すれば医者も患者も処罰されます。
  しかし、大麻が多くの病気の治療に効果があることは膨大な証拠によって明らかです。歴史的には、3500年間以上もの間、大麻草は世界中で薬用植物として利用されてきました。中国やインドの伝統医学でも古くから使用されています。
 1840年代ころから、医学の文献にも大麻の医療応用に関する報告が見られるようになります。1850年から1937年まで、アメリカ薬局方は大麻草を100種類以上の疾病に効く主要な医薬品として記載しています。
  大麻には、鎮痛、抗炎症、抗けいれん、鎮静睡眠、抗がん、抗不安、抗うつ、吐き気止め、食欲増進、気管支拡張、眼内圧低下など多彩な作用があります。そのため、悪性腫瘍、エイズ、てんかん、多発性硬化症、脊髄損傷、筋肉の痙攣、関節リュウマチ、炎症性腸疾患、食欲低下、不眠、抑うつ、不安、吐き気、喘息、緑内障など様々な病気や症状に使用されていました。
  1980年代にエイズが流行したとき、エイズ患者たちは大麻(マリファナ)の喫煙が痛みを和らげてくれることを経験的に知っていきました。その後、痛みと筋痙攣を引き起こす脊髄損傷患者や多発性硬化症に苦しむ人々にも使われるようになりました。
  がんやエイズやその他多くの病気の多数の患者が、マリファナ(大麻)を吸うとその絶望的な苦しみや症状が劇的に軽減すると報告されています。苦痛の軽減効果があまりに顕著であるため、患者やその家族の中にはマリファナを購入したり栽培して刑務所に入れられるリスクを厭わないという人も多くいました。
  このような背景で、アメリカ合衆国の連邦法では大麻の医療使用が認められていませんが、州法によって医療大麻の使用が認められている州が増えています。1996年11月5日にカルフォルニア州では住民投票で医療大麻の使用が認められ、2015年の時点で、23の州と首都ワシントンDCでは州法によって医療大麻の使用が認められています。有効な治療法がない様々な難病の治療に役立っています。
  大麻がタバコやアルコールより安全性が高いことは多くの医学的研究によって証明されています。モルヒネより大麻の方が格段に安全性が高く医療用途が多いことは今や医学の常識になっています。医療大麻が許可されている州では、オピオイド系鎮痛剤の副作用による死亡数が減少したという報告があります。自殺する人の数も減っているという報告もあります。
  海外では医療大麻の使用によって多くの患者さんが恩恵を受けているのに、日本ではどのような状況でも医療大麻が使用できません。大麻取締法が大麻の医療目的での使用も禁止しているからです。そのような規制を1日でも早く撤廃する必要があると思い、本書をまとめました。
  本書は、医療大麻の安全性と有効性に関して医学的な検証を行い、大麻の医療使用を禁止している大麻取締法を改正する必要性の根拠を示しています。「大麻はあぶない」とか「大麻に医療用途がない」というような医学的根拠に基づかない議論を行っている場合ではありません。日本でも医療大麻を使用できる状況にするための行動が必要です。本書によって日本での医療大麻の使用許可に向けての議論が活発になることを願っています。

 

  本書の執筆にあたり、前田耕一氏(『NPO法人医療大麻を考える会』代表)と宮路天平氏(東京大学大学院医学系研究科臨床試験データ管理学講座)から多大な助言と示唆をいただきました。両氏からの助言がなければ本書を出版することはなかったと思っています。深く感謝致します。

 


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