大麻:議論はタブー

  2008年11月、私はイギリスの新聞 the guradianの取材を受けた(リンク先 下から10行目)。
  当時、全国の有名大学の学生が、大麻関連で連日のように逮捕され、新聞記事やワイドショーで取り上げられた。大学生が逮捕されるたびに、学長や総長が何人も並んで、深々と頭を下げた。

 

 

  逮捕された者のなかには相撲の力士、大学ラグビー部員、K1選手など激しい運動をする人たちが目だった。
  連日のワイドショーでは、元麻薬取締官が「大麻は中毒になって、より強いドラッグにすすむ。頭がおかしくなって戻らない。暴力的になる」などとコメントしていたのを覚えている。大麻違反者が前年より12%増加し、特に、自宅での栽培が50%増加した。2006年度の逮捕者数は2423人で過去最多だという。
  毎日新聞は論説で日本有数の大学の学生が、悪の草に汚染される状況に警鐘をならした。 
  the guradian紙は「医療大麻を考える会」の私を取材し「がんや多発性硬化症などの病気に大麻が使用できるよう、法の改正を求めている。大麻はアルコールやタバコより害が小さいにもかかわらず政府は過剰反応し、逮捕された人たちの生活を破壊している」「我々は政府に有害性の根拠を明らかにするよう求めたが、政府はできなかった」との話を紹介した。「当局はマスコミを通して大麻がより強いドラッグの入り口になると宣伝しているが、マスコミは当局の垂れ流す情報をセンセーショナルに流すだけで、その情報が事実かどうかを確かめようともしない。腹がたってしかたがない」という憤りも掲載した。麻薬取締官の情報を鵜呑みにした毎日新聞の立場とはずいぶん違う。
  実際、プロを含む激しい運動をする人たちに、大麻がどれほど有害なのかについて、新聞は調査し、報道しようと思えばできるのに、その気すらなかった。プロはそれで生活しているのだから、体に悪いことは徹底的に避けるものである。
 日本ではいまだに大麻の有害性について事実にもとづいた議論がされることはなく、マスコミも教育者も行政も、「麻薬覚せい剤乱用防止センター」の有害情報を垂れ流している。しかし「麻薬覚せい剤濫用防止センター」の有害情報は、根拠となる「出典」がわからない。ある裁判で、裁判官がセンターの有害情報の根拠を示すように検察に指示したところ、「根拠は提示できません」という答が返ってきた。これでは反論することができず、科学的な議論はできない。そもそも議論することを避けているとしか考えられない。
  この麻薬覚せい剤濫用防止センターは、厚労省の役人の天下り先になっている。しかし、警察には薬物対策課があり、捜査も警察のほうが専門なのだから麻薬取締官制度は税金の無駄使いだという声が、政府内でもときどきあがる。麻薬課としては予算獲得のためにも、数年に1度、マスコミを利用した大々的な「大麻狩り」を演出する必要があるのである。
  ところで、2008年当時、厚労省麻薬課が有名大学の学生を狙ったかのように逮捕したのは、実は、厚労省と国立大学を管轄する文部科学省との内部抗争だったのではないかと私は推測している。一人の学生が大麻を吸ったぐらいで、学長や総長や教授がテレビカメラや何百人という記者の前に引きずり出され、「痛切に責任を感じる」などと土下座させられるべきようなことではない。厚労省は大麻を「(有害で恐ろしいということに)疑問をもったり反論してはならないタブー」としておくことで、敵対する者を攻撃する道具としていつでも利用できるのである。
  数年前の文部科学省の科学研究費の研究対象は、世界的にもひけをとらないものがあったが、最近は「危険ドラッグの判別のしかた」の研究というようなものが多い。ここにも厚労省の文科省への圧力を感じざるをえない。
  アメリカではこの7年間で、医療大麻を合法化する州が23州になった。日本は7年前とまったく同じである。
  重要なのは、大麻を触れてはならないタブーにしておいてはならないということである。有用性・有害性を含めて、もっともっと大麻について、語るべきである。

 

 

 

[動画] 大麻を吸ったらどうなるか?アメリカで高齢の女性3人が、人生で初めて大麻を吸った。

 


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