カンナビノイドを規制する理由

  ある医科大学系病院の教授で、アメリカの医師免許ももつ医師が言った。

 

  1)大麻が社会に出回ったら大変なことになる。

 

  2)大麻に効果があるという臨床エビデンスがない。

 

  3)大麻でなくてもほかに効果がある薬がいっぱいある。

 

  教授は政府の機関で製薬会社の新薬を臨床試験を通して承認する地位にあるという。
  私は次のように反論した。

 

  1)社会に出回ったら大変なことになるかどうかは「社会学」の分野の問題であり、「医学」の問題ではない。モルヒネが社会に出回ったら大変だからという理由で、モルヒネの医療使用を禁止することはないのに、大麻でそのように言うのは、日本には大麻に対する社会的アレルギーやタブーがあるからで、そのようなことに科学としての医学が影響されるのはおかしい。
  先生は1980年代にアメリカにおられたということですが、当時と今では社会状況がかなり異なる。オバマ大統領は自分も吸ったことがあり、アルコールより害があるとは思えないと言っている。

 

  2)大麻は世界的に臨床試験が規制されているので医学的エビデンスを取るのは非常に困難である。そのような状況を放置しておいて、「臨床的エビデンス」を要求するのは論理的にむちゃくちゃである。
  一方、有害性に関しては、最高裁も「公知の事実(だれもが知っている事実)」としてエビデンス(証拠)がなくても有害だとしてもかまわないとしている。有用性に関してはエビデンスを求め、有害性に関してはエビデンスが必要ないというのは理屈が通らない。

 

  3)人体にはカンナビノイド受容体があり、それはほかの医薬品とは異なった作用機序をもっているのだから、カンナビノイド特有の効果があり、ほかの医薬品では代替できない。

 

  以上は1週間前、私の家の近所の寿司屋で、偶然、出会った教授と、酒の上で行われたお話で、教授もびっくりしたことだろう。いつもなら厚労省の役人や製薬会社から先生と呼ばれ、絶対に逆らう者がいない立場なのに、私のような素人から、突然、専門分野に関して反論されたのだから。
  しかし上の3点が、厚労省や製薬会社が、医療大麻合法化に反対する理由となっていることがわかる。
  教授は普通なら私の物の言い方に感情的になって激怒してもおかしくない地位と年齢だが、そういうことはなかった。
  「このままカンナビノイドを禁止しておくと、がんや疼痛患者が暴動を起こすことになりますよ」というと「うむ」と答えた。
  「酒のうえ」ということで、お互いに本音で話ができてよかった。これはアルコールの有用性のひとつであるのは間違いない。
  会報と「マリファナの科学」を郵送しておいた。

 

 

 


← 前ページに戻る

← HOMEに戻る