大麻はどのような病気に効果があるのか?

  2015年現在、アメリカでは23州とワシントンD.C.で医療大麻が合法化されている。合法化の程度は州によって異なり、適応疾患が限られている州もあれば、「医師が大麻が効果があると診断したすべての疾患」という州もある。
  どのような疾患に効果があるかについては、実際に合法化されている州を調べるのが適切だと思われる。
  ここでは疾患名をあげている州で、実際にどのような病気に処方されているかを調べ、今後の日本における適応疾患の参考にしたい。
    (参考) NORML

 

○ 悪液質 (20州)
    一般的には聞きなれない症状だが、動脈硬化症、心不全、肝不全、腎不全、AIDSなどの慢性疾患の経過中に起こり、急激に体重が減少し、全身衰弱により患者のQOLが低下する。がんに伴うものをがん悪液質と呼ぶが、治療法が限られており、がん治療の障害にもなる。単なる栄養管理だけでは体重の減少は恢復しないが、大麻の食欲増進作用に効果があることがわかっており、日本のがん専門医のなかには、その作用に強い関心をもつものもいる。
    (参考) 「治療現場の医師から見た医療大麻
○ がん (20州)
    がんによる食欲不振や疼痛緩和のほか、最近の研究では特定のがん細胞を殺すという報告もでている。
○ エイズ、HIV (18州)
    食欲増進で体力をつけ、発症を遅らせ、症状の緩和にも有効。アメリカにはエイズ患者が多く、適応疾患では上位に。
○ 緑内障 (18州)
    大麻には眼圧を下げる効果が。緑内障は原因不明で、治療法もない。中途失明の最大の原因。働き盛りの40代に発症することが多い。
○ 吐気 (16州)
    がんの化学療法には吐気がともなうことが多い。病院のトイレで何時間も吐き続ける患者もいて、がんの症状そのものより辛く、しかもほかの制吐剤が効果がないことが多い。
    (参考) 「がん患者を夫にもつ妻からのメール
○ 慢性疼痛 (13州)
    厚労省は難治性の慢性疼痛があることを認識しているが、対策は遅れている。大麻の鎮痛効果は、下記の難病などが原因の疼痛にも効果があるとされている。

    多発性硬化症(13州)、難治性筋痙攣(11州)、脊髄損傷(3州)、灼熱痛(2州)、関節炎(2州)、慢性神経系疾患(2州)、慢性炎症性脱髄性多発神経障害、線維筋痛症、慢性関節リウマチ、末梢性神経障害、片頭痛 (各1州)
    (参考) 「厚労省 今後の慢性の痛み対策について(提言)
○ クローン病 (12州)、炎症性腸疾患 (4州)
○ (てんかん、痙攣などの)発作 (10州)
○ アルツハイマー (7州)
    多くの州で実際に処方していることから、今後、高齢社会化する日本でも対象患者は多いと考えらえる。大麻喫煙はアルツハイマーの予防になるという報告もある。
    (参考) MARIJUANA GATEWAY TO HEALTH : がん・アルツハイマーと大麻による予防
○ 筋萎縮性側索硬化症(ALS) (8州)
○ C型肝炎 (8州)
○ てんかん (8州)
    高濃度のCBDオイルを難治性(小児)てんかんに限り合法化している州がある。
○ 心的外傷後ストレス障害(PTSD) (6州)
    戦争が原因の元アメリカ兵に多いとされる。
    (参考) 「恐怖を消す仕組み解明 北大、脳内の作用部位を特定
○ パーキンソン病 (6州)
○ トゥレット症候群、ハンチントン舞踏病 (各3州)
○ 筋ジストロフィー、ルーゲーリック病、釘膝蓋骨症候群 (各2州)
○ その他 難病系 (各1州)
    水頭症、水脊髄症、間質性膀胱炎、全身性エリテマトーデス、重症筋無力症、筋間代、神経線維腫症、反射的交感ジストロフィー(RSD)、シェーグレン症候群、脊髄病、アーノルド・キアリ奇形、脊髄小脳運動失調(SCA)、脊髄空洞症、外傷性脳損傷と脳震盪後症候群、釘膝蓋骨症候群

 

  これらの疾患のほか、患者が申請し、州が承認すれば、医療大麻対象疾患と認められたり、医師が効果が期待できると判断する疾患すべてが対象となる州もある。

 

  これらの州では州政府公認の医療大麻販売所(ディスペンサリー)があり、患者はそこで良質な大麻を、安全に安価に安定的に入手できる。公認のディスペンサリーが未設の州では、患者による所持、栽培が条件付で許可されている。
    (参考) カリフォルニア州のディスペンサリー 

 

  1999年、医療大麻を考える会はカリフォルニア州オークランドのバイヤーズクラブを取材した。バイヤーズクラブは現在のディスペンサリーの前身で、患者の大麻入手を助けるための団体。運営はすべてボランティアの患者たちで、動画にはがん、神経性疼痛、偏頭痛、エイズなどの患者が大麻の効果について証言している。

 

    (参考) ここまできたアメリカ医療大麻合法化の現実 (映像 医療大麻を考える会 2000年制作)
 
    [動画] 1) 患者の大麻購入組織と患者インタビュー
    [動画] 2) 患者インタビュー
    [動画] 3) 患者と活動家インタビュー
    [動画] 4) アイオワ大学全米医療大麻会議 (ミクリヤ医師のインタビュー)

 


← 前ページに戻る

← HOMEに戻る