法学者が認める法体系変更の必要性

  鮎川潤という法学者が「少年犯罪 ほんとうに多発化・凶悪化してるのか」(2001年 平凡社新書)という本のなかで次のように書いている。

 

 

(引用始)

 

  国際化によって、海外の状況も容易に伝わるようになった。雑誌やインターネットを通じて、たとえばオランダとりわけアムステルダムのコーヒーショップではマリワナもハッシシも購入できることを知っている若者たちは増加している。覚せい剤は効果が強いのに対して、マリワナは弱いこと。覚せい剤は耐性が上昇するのに対して、マリワナはそれがみられないこと。マリワナは長期間にわたる断続的あるいは継続的な使用が可能であり、したがってリクレーショナルもできること。こういった薬物効果にかんする情報が伝達されるとともに、日本とまったく異なる対応をとっている海外の状況が紹介されることによって、わが国において大麻を覚せい剤と同様に厳しく取り締まっている法律の根拠が掘り崩される可能性が高い。(中略)近い将来、薬物の化学的な薬理作用に根拠を持った法体系に変更する必要がでてくるかもしれない。

 

(引用終)

 

  非常に常識的な見方である。化学的な薬理作用の根拠だけではなく、大麻使用者が自分の健康と他人(社会)にどのような危害を加えているのかについての疫学的調査も必要である。かつて相撲界やオリンピック選手、K1選手、大学ラグビー部員ら激しい運動をする人たちが次々に逮捕されたことがある。
  しかしマスコミは「これだけいい成績を残せるということは、大麻には覚せい剤のような害はないのではないか」という常識的な疑問をもつことはなかった。またマスコミは、大麻で逮捕された者100人中、何人が「麻薬覚せい剤乱用防止センター」が宣伝するような害を経験しかについて、具体的な統計的数字に基づいた疫学的調査をしようと思えば簡単にできる立場にありながら、違反者を袋叩きにすることだけで満足した。
  マスコミが垂れ流す害は、大麻そのものの害よりはるかに大きい。

 


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