写真はサンフランシスコのディスペンサリー。
ディスペンサリーとは大麻の販売薬局という意味で、アメリカ人医師の推薦状があれば、患者はここで大麻を合法的に購入することができる。
ロサンゼルスだけで300店舗以上あると言われており、ディスペンサリー業者間の競争が激しく、他店との差別化をはかるため、まるで宝石店か高級ホテルのロビーかと思わせるような高級化とおしゃれ化が進んでいる。
大麻の価格も安くなり、1グラム10ドル前後と日本の闇価格の5分の1程度になっている。このぐらいの価格でないと、患者は継続して購入するのが難しい。
有機栽培したものもあり、また成分の割合を明記するなど、品質管理には気を使っている。
これまでディスペンサリーのスタッフが、患者の症状を聞いてどの品種がいいかをアドバイスしていたが、州によっては薬剤師や教育を受けたスタッフを置かないとならないと決めたところもある。
また嗜好利用を含めた全面的合法化を決めたワシントン州では、それまで安く買えた医療大麻の価格が高くなり患者が困るという状況も発生している。アメリカの医療大麻合法化はいろんな問題を解決しながら、手探りで進んでいる状態といえる。
一方、日本では医療目的であっても、逮捕されれば家宅捜索を受け、末期がんの患者であっても原則的には有罪になる。マスコミに袋叩きにされ、職業や家族まで失うことがある。路上で危ない人達から購入せざるをえないこともあり、そのときに大麻以外に覚せい剤を押し売りされることもある。
アメリカでは合法化され患者が安心して入手できる状況がある一方、日本では暴力団の資金源になるから大麻は禁止しているという厚労省や裁判所の判断がいまだにまかり通っているのである。